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訓育編

121家庭のルール作り
   原則的には、あなたの自由に決めたので構いませんが、

あなたが犬にさせたくない行動というのが、犬にとって、本能的にしてはいけない行動であるのならば、
それは犬同士で行動させることによって、その関わりを通して身に付けるかもしれませんし、
成長につれて自然に身に付ける事があるかもしれません。

しかし、あなたが教えたい、多くのさせたくない行動というのは、
犬にとっては、本来することが当たり前の行動である場合がほとんどなのです。
単にあなたが犬にしてもらいたくないだけで、すなわち、あなたにとって都合が悪い行動なのであって、
吠えることも跳び付くことも、咬み付くことも何かを追いかけて走ることも、どれも犬にすれば、生育の過程で、日常の学習によって身に付ける行動であったり、本能に基づき自発的に行なう行動であったりするのです。

さらにこうした行動の多くは、犬自身が行なう事によって、充足感という快刺激を得るのです。
つまり、人間が無視したところで、犬には、よいことが起きているのです。
犬に「吠えたい」という欲求があれば、犬は吠えることによりその欲求を満たされるのです。
そして、その欲求を満たしてやれば、次はさらに「もっと吠えたい」という欲求が芽生えてくるのです。

「まだ」「そのうちに」「大きくなれば」「自然に」という言葉を好んで使う、犬に優しい人がいますが、
犬が自然に身に付けるものは、イヌの本能に基づく行動です。
自然に、まったく犬なりに自由にさせていたら、犬ではなくイヌになります。
あなたが望んでいることは、ある意味、犬からすれば自然ではないことなのです。



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