280支配と関係
支配と関係

285対立を解決する方法
 対立を解決する方法
自由な社会において、私の自由は、時にあなたの自由を奪います。
自由を行使する際に、他者と生じた対立をどのように解決するのかということです。
支配・服従・上下関係・主従関係、そんな言葉は何でもいいです。
単純に、両者の主張が異なった時、あるいは利害が対立した時にどうするのかということです。


人間は、交代・早い者勝ち・話し合い・ジャンケン・多数決・裁判・喧嘩・権力・対価など
様々な方法をとりますが、犬はどのような方法を取るのでしょうか。

集団生活を行なう動物において、草食動物は並列社会を、肉食動物は序列社会を作ることが一般的です。
それが、自然界における種の存続に有利で、理にかなっているからに他なりません。

上下関係と聞いただけで、無意味に拒絶反応を示す平等主義者もいるようですが、
運動能力・知力・危険察知・採食、あらゆる面で、集団内において能力に個体差がある限り、
平等な関係というのは非常に理不尽であると同時に、集団としての能力を失わせてしまうことになります。

動物の調教では、昔から使われる言葉に「飴と鞭」があります。
これらは動物の行動を促すためと、時に相手に対して力の誇示として使われます。
力の誇示と聞くと、多くの人は「鞭」の話だと思われることでしょう。しかし武力だけが力ではありません。
「飴」は報酬として行動を促すとともに、「人間が持つ、富の配給の権限」という力をみせつけているのです。

動物社会においては、力による支配が一般的ですが、人間社会ではさまざまな力による支配が行われています。
現代の人間社会においては、地位やお金といった力が、人や社会を支配しています。
他者を支配する「力」には、「知力」「財力」「権力」「武力」「信仰」などが挙げられます。

本気で「対等」「平等」を目指すのであれば、いずれの力においても、支配そのものがいけないことになります。
先進国と発展途上国の関係をみても、かつての武力による植民地化が、現代では経済による植民地化に変わって
きていますが、これも搾取の構図という観点でみれば、その関係は本質的に変わっていないとも言えましょう。




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