300科学的トレーニング
 


303科学と実践
科学と実践
科学を非難するつもりもありませんが、非科学的であることだけを理由に非難されることには納得できません。
おそらく私たちの誰もが、心の存在、内面の重要性について、私たち自身の身をもって知っているのに、
それらについて語ると、科学的でないとされてしまうことに賛同できないのです。

「旧来の職業訓練士による犬の訓練方法は、経験と勘によるもので、非科学的である」
という指摘や非難が多くあります。
こうした批判は犬の訓練だけではなく、職人と呼ばれるさまざまな世界においてや、
スポーツのトレーニングの世界にもみられるものです。

そもそも、科学的に証明されていないということが、事実であることを否定するものにはなりえません。
ニュートンが引力を発見する以前から、リンゴは地面に落ちていました。
「事実」というものは、科学の解明にかかわらず存在するのです。
職人技を研究することで、また新たな科学が究明されるのです。

オペラント条件付けというのは、人間や動物が自発する広範な行動が条件づけの対象となり、 日常生活の中の
いたるところで偶発的に生じています。また経験則として、子どものしつけなどに古くから用いられてきました。
実際にオペラント条件付けという用語は知らなくとも、その手法自体は、訓練士であればほぼ誰もが、当たり前に
用いていたものです。

もちろん、技術の理解や指導において、科学的理論は非常に有益かつ重要です。
科学者は一層の研究を、そして訓練者は、証明された科学をきちんと理解し、
また人に伝える技術として積極的に学ぶなど、それぞれが励むべきではないでしょうか。



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