しつけ教室編



806指導方法の違い
指導方法の違い

誰にとっての良い方法なのか?
トレーナーが奨めるべき犬のしつけ方法は、犬にとって、あるいは飼い主にとっての良い方法であるべきですが、
実際に広められている方法というのは、トレーナーにとっての良い方法なのです。
いや、正確に言えば、そのひとつ前、すなわち「トレーナーに教える」人にとってと、ペット産業界にとって都合の良い方法なのです。
ですからオヤツを使ったトレーニング方法を教えるセミナーに行くと、決まってドッグフードメーカーの後援や協賛が付いています。
ドッグフードのメーカーにとっておやつは、最も利幅が大きく利益率の良い商品なのです。

広く推奨されている方法というのは、誰にとって良い方法なのでしょうか。
 1. 犬          教わる立場としての良い方法。
 2. 訓練者        犬をしつける立場での良い方法。
 3. トレーナー      飼い主に「犬のしつけ方」を教える立場での良い方法。
 4. トレーナー養成業者  「飼い主に犬のしつけ方を教えるトレーナー」を育てる上での良い方法。

商品の流通であれば、間に人が入るほど価格が上がります。
伝言であれば、間に人が入るほど原文とかけ離れていきます。
トレーナーは、自分が教わってきたトレーニング方法を、そのまま同じに飼い主に教えてしまっているのです。
それは当然のことで、それでいいのではないかと思いがちですが、ここに大きな過ちがあります。
トレーナーは、一緒に生活をしていない、日常の世話もしていない、親和もとれていない教材犬に、犬の日常でない場所で、限定された時間に、何かをするように、
すなわち、犬との信頼関係を築くことなく教えることのできる方法を教わってきたのです。
簡単に言えば、「犬とコミュニケーションをとるには、オヤツを与えるのが一番良い方法です。」と言われて、
それ以外のちゃんとした方法を教わっていないのです。言ってみれば、今のあなたと同じです。
もちろん多くの人が、最初に、あるいは途中で疑問を持ちますが、圧倒的多数が罰はいけないと書いていますし、
罰の弊害による可哀そうな事例がたくさん紹介されている現状では、疑問を持ち続けることの方が困難です。
勿論、アメリカのように問題犬になってしまったら簡単に安楽死をさせることを、あなたができるのであれば、
そうした教え方、育て方でも構わないと言えましょう。



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