170問題行動編
問題行動編

187問題行動の専門家

 
ただし相談先となるいわゆる専門家も多種多様、かつピンからキリまでです。
犬の専門家であっても問題行動については専門外の人もたくさんいます。
逆に「問題行動が専門です」と自称する人たちには、書籍やセミナーで勉強した行動学の理論を主体とした人たちが増えています。
行動学理論が重要なことは間違いないのですが、どうしてもそうした人たちの多くは実経験に乏しく、犬の本質を知りません。



  相談相手の色々

多くの人が患う腰痛ですが、ある人は医者にかかるのではなく鍼灸院や接骨院に行くし、整体やカイロに通う人もいるでしょう。
一口に腰痛と言っても、筋肉痛や椎間板ヘルニアかもしれませんが、腎臓結石や内臓の腫瘍などといった病気の可能性もあります。
軽い捻挫などであれば整体などで問題なく治る場合も多いのですが、接骨院や整体所は医師ほどの幅広い専門知識を持ちませんし、
診断にあたって血液検査やレントゲン検査などを行なえません。
内臓疾患による腰の痛みを素人判断で整体に通っていたのでは、治らないばかりか、どんどん悪化させてしまうことになるのです。
病院に行けば医者はまず診察をし、必要な検査をして病名を診断してくれます。


国家資格である医師や鍼灸師・柔道整復師などと並べて比較することはおこがましくもありますが、
何となく訓練士とトレーナーとインストラクターといった区分けも、これらと近いものがあるかもしれません。
ついでに言えば、入院が預託訓練、往診や通院が出張訓練、自宅治療がしつけ教室といった感じでしょうか。


「これまではハウスに戻す時にも喜んで抱っこされていたのに、最近は唸って逃げるようになりました。」
上記の相談へのアドバイスとして、極端なたとえですが下記のような違いがあると言えましょう。
  先輩愛犬家   :反抗期よ、うちの子もそうだったけどそういう時期があるものよ。          
           ほっておいても自然に直るわよ。
  訓練士     :自分が嫌なことを受け入れなくなってきているのは、上下関係が逆転しているからです。         
           服従訓練から始めましょう。
  トレーナー   :抱っこ→ハウスに入れられる嫌なこと、と学習したからでしょう。
           まず、抱っこをしたらすぐにオヤツをあげましょう。
  インストラクター:無理に抱っこするのではなく、上手に誘って犬が自分からハウスに入るようにしましょう。        
           まず、ワンちゃんにおやつを見せて、それからオヤツをハウスの中にほうり入れます。
  獣医師     :病気か怪我で抱っこされると痛みがあるのかもしれませんね。          
           血液やレントゲンなど一通りの検査をしてみましょう。


現実を踏まえた理論を以って実践できる人を選ぶべきです。
当然に私がお薦めするのは悪癖矯正に長けている訓練士ですが、訓練士にも専門性に大きな違いがあります。
家庭犬の訓練を主体とする訓練士と、競技会の訓練を主体とする訓練士の二つです。
JKC公認訓練士だから家庭犬、警察犬協会公認訓練士だから警察犬というものではありません。
家庭犬といっても競技会や資格試験向けの訓練ではなく、しつけを主体の訓練をしている人がお薦めできます。
経験は重要ですが、経験則だけに頼りきちんと行動心理学を学んでいない訓練士は避けた方が良いでしょう。

預かり訓練を全否定する人や、一切犬を扱って見せないトレーナーの言うことを私は信用しません。



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