230教えるということ



233褒めない・叱らない
褒めない・叱らない
  自分の感情を感じてくれる相手であれば、ほめたり叱ったりは必ずしも必要ではありません。
人が相手であれば、何もほめなくても、相手が喜んでするようになる方法もあります。
また、叱らなくても、相手がしなくなるようにする方法もあります。
一つは、自分の感情を相手に伝える方法です。褒める必要なんてありません、あなたが喜ぶだけでいいのです。
叱る必要なんてありません、あなたが嫌がったり、悲しんだりすればいいのです。
「ありがとう」という感謝の言葉。「嬉しい」と素直に喜ぶこと。

もう一つは承認欲求を充たすことです。わかりやすく人間での例で話をしましょう。
誰かが部屋の掃除をしてくれているときに、あなたが部屋に戻ってきました。
「おおっ、きれいになったなぁ。」「いつも君が掃除してくれていたのか。」 自分のことを見ていてくれている、わかってくれる、ということが喜びになります。
不安ながらにやっている人に、「ちゃんと出来ているじゃないか」という一声。
そして時には、励ましたり、慰めたりも必要でしょう。連日遅くまで居残って仕事をしている部下に、
「毎日遅くまで大変だな」「身体を壊すなよ」という、相手をいたわったり気遣ったりする一言。
そうした思いや言動が、相手にとっての喜びになります。

同様に、相手に対して感情をぶつけなくても、あなたが怒ったり、悲しんだり、困ったりする姿が、
相手に反省を促すこともあります。
「もういいから、帰ってくれないか」、「期待していたのに、とっても残念だよ」
「いまさら、もうどうにもならないから。」といった言葉も、叱責同様の効果を持つことがあります。

しかし、これらが有効なのは、あなたと相手との間にそれなりの関係がある場合に限られます。
その効果の有無と程度は、相手との関係性によって左右されます。
また別頁にて述べますが、これらの方法は、実は、犬においても有効なことがあります。






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