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訓育編

122パピートレーニング
  
幼犬期っていつ頃まで?
人と犬の年齢比較 犬の年齢を人間の年齢に換算する計算方法は、研究者によりさまざまなものがあります。
もっとも単純なものは、それぞれの平均寿命を比較して均等比率で割り当てるものです。
一般的には、乳歯や永久歯の生え換わりの時期や初潮などの性成熟などの時期を比較して換算されます。
犬は最初の1年間の成長速度が極端に早いため、それらの点を考慮した換算方法などもあるようです。
しかし実は犬が速いのではなく、私たちヒトという動物種が自立までに異常な長期間を要する動物なのです。

そのため、しつけを考える時に大きな失敗を生むことが多くあります。
多くの人が、人間で言えばまだまだ子供なのだからと思って大切な時期を逃してしまうのです。
また心の成長と身体の成長の速度も、必ずしもイヌとヒトとでは一致しませんし、
当然ながら、生存能力という観点からは人間を遥かに凌ぐ速度で成長を遂げます。

生後3ヵ月齢の子犬は人間の3才に当てはめられることが多いのですが、
運動能力で言えば小学生高学年以上に相当するでしょう。
学習能力(知能ではありません)や遂行能力を考えれば2ヵ月=3才、3ヵ月=5才程度は確実にあると感じます。

大形犬と小型犬、和犬と洋犬などによる差がありますが、しつけを考える上では次のように考えると良いと思います。

人の年齢     犬の日齢      
0 ~ 1 赤ちゃん 乳児期  ~ 30日 新生期  形成期 
2 ~ 3 未就園児 乳幼期  ~ 60日 感受期 社会化期 自律性
4 ~ 5 幼稚園児 幼児期  ~ 90日 遊戯期 臨界期 探究心 好奇心 自己主張と自己抑制
6 ~ 11 小学生 児童期  ~150日 自我期 反抗心 自発性  ギャングエイジ
12 ~ 15 中学生 思春期  ~240日 若齢期 警戒心 恐怖心 性徴期 闘争心
16 ~ 18 高校生 青年期  ~365日 充実期  
    

まず最も大切なところでは、人間が近づいた時、また、人間が子犬に手を伸ばしたときの反応を見てみましょう。このときに後込みするようならば、後に述べる従順性を身に付ける練習は、当面は先送りにします。
まず、優しく撫でてあげることを多くして下さい。

こうした犬は、部屋の中に自由にさせますと、何かのたびごとに、物陰に逃げ込んでしまいます。
そんな時に飼い主は、何とか手を伸ばして捕まえて、無理やりにだっこして撫でまわすのです。
子犬が、自分から寄って来るようになるまでは、何も物のない極力狭い場所(サ−クル等の囲いの中)で、
自分が寝転んで、ひたすら時間をかける覚悟で行ないましょう。こうした性格の子犬に対しては、 食事の回数をなるべく多くに分けることも有効です。
ここで、二つほど、教える過程における、鉄則を述べておきましょう。
・犬に「逃げる」という選択肢を与えてはいけない。
・ふざけっこであっても、犬を追いかけてはいけない。

そのほかに物音や気配に異常に敏感な犬の場合は、ごく早い段階に適切な馴致をする必要があります。
またまれに、この月齢ですでに、人間に対し唸ったり、噛みついたりする場合があります。
こうした場合は、早めに専門家に見てもらった方が良いでしょう。





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