個人主義や成果主義によって、人間関係における情が希薄になった現代社会。
家族の一員である犬との関わりまで、エサでの取引、損得の選択によるものにしてしまって本当にいいのですか?
ほめる技術さえも持たない「しつけ商法のトレーナー」に言われるがまま、それが犬にやさしい訓練方法だなどと
思いこんでいる人がたくさんいます。商魂に踊らされるのは、もういい加減にしませんか。
人に対しても犬に対しても同じですが、相手の適性と能力に応じた処遇をすることが思いやりだと思っています。
犬は多くの方が思っている以上に、高い知能、豊かな感情、卓越した身体能力を有する素晴らしい動物です。
科学的でないことは百も承知でいえば、犬は人間と心を通わせることのできる限られた動物なのです。
これまでの人間との共存の歴史の中で培われてきた「従順性」や「服従心」などの素晴らしい能力に目を向けず、
馬の鼻先にニンジンをぶら下げるような、食欲ばかりを伸ばす方法が、本当に良い方法なのでしょうか。 |