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トレーナー育成ビジネス



 712訓練所の体験談を語る人
訓練所の体験談を語る人
 
獣医師になりたいと思っても、そのずっと手前の獣医師になるための大学に入学する段階で、
ほとんどの人が学力選抜というふるいではじかれ、業界に足を踏み入れるまでもなくその夢を絶たれます。
しかし訓練士は、希望さえすれば誰でもが、ほとんど面接だけで訓練所に見習いとして受け入れて貰えます。
よほどのことが無い限り、破門されたり解雇されたりすることもありませんから、
自ら諦めることさえしなければ、誰もが自身の努力によって訓練士になることができます。
しかし同時に、やる気のない人間に大切な犬を扱わせることはできませんから、
どこの訓練所でも辞めたいという人を引き留めることは、まずありません。
このように選抜は、志望の段階ではなく日々の仕事を経て、 選考は第三者ではなく自分自身によってなされます。つまり自分次第です。

このように門戸は広く開放されていますが、当然に誰もが容易になれるのではありません。
生き物相手の仕事ですので、休日もほとんどなく朝から夜まで仕事です。
しかも見習い当初は、下働きの雑務ばかりです。
訓練所によって、資格取得や独立までの修業年限には訓練所によって違いがありますが、
そこまでに至る人はほんの一握りで、ほとんどの人は資格を得るどころか、一年もしないで挫折していきます。
生体である犬の管理を仕事としてするのですから、住み込みの生活、休み無しの毎日、 朝から夜までの仕事と、
大変なことだらけです。どこの訓練所でも、辞めていった人はたくさんいます。
ことに今の時代、苦労して技術を身に付けなくてもドッグトレーナーとして商売をしていけるのですから。

ほんの短期間だけ訓練所にいて、すぐに辞めていった人が語るのです。
石の上にも三年。半年や一年そこいらでは、ほとんど下働きしか経験していません。
仕事がきつかったと言っても、そんなことは初めからわかっていることでしょ、と相手にもして貰えません。
そちらの道を選ぶ人にとっては、自分が続かなかったことを第三者に正当化し、自分を満足させられる理由として最もふさわしいものが、「虐待まがいの訓練」「犬に酷い扱い」「管理が悪くてかわいそう」などという
表現であり、「自分は、そんなことはできないから」という理由です。

下積みの仕事が辛くて逃げ出した人が、一転して、心優しい善人に変われるチャンスです。
好都合なのは、本人だけではありません。
トレーナー資格の販売業者にとっても、こうした自称改心組の脱落組は、 「訓練所に預けると・・・・」
「旧来の訓練士は・・・・」というキャッチフレーズの 証人という格好の広告塔となってくれるのです。

その逆に、資格販売の養成団体には、最初に高いお金を払ってしまっています。
勉強も大変ではありませんし、生徒としてお客様扱いしてもらえますので、辞める人も少ないのです。
また何より、そこの発行の資格で商売をするのですから悪く言う人も当然に少ないのです。
昨今は、訓練士になりたいと言う人の多くが、訓練技術を習いたいのではなく、資格を取りたいだけなのです。
技術が身に付くまで資格を取らせてくれない訓練所よりも、お金を払えば資格がとれる養成学校を選ぶ人の方が
圧倒的に多いようです。



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