介助犬とは、肢体障碍者の日常生活に於ける手助けを通して、社会的自立を介助する犬です。
具体的な介助犬の仕事は、物品の拾い上げや運搬、着脱衣の補助、体位の変更、扉の開閉、
スイッチの操作、起立及び歩行の際の支持 緊急の場合の救助の要請などとされています。
これらを行なうには、介護者や介護器機といった手段もあります。
そこに「介助犬」という選択肢が加えられることの意義を、しっかり考えたいと思います。
常に世話をしてもらう立場だった人が、自分が世話をする立場に立つことによる自己確立と、
そこに生じる自信といきがい。毎日の世話や犬との訓練を通じての様々なリハビリ効果。
それらは、何ものにもかえがたいものです。
社会との交流においても、犬の果たす役割には大きなものがあります。
多くの方が、犬の純粋な愛情や献身的な行動に接したとき、とても素敵な笑顔をなさいます。
そうした犬がもたらす微笑みが、障害をもつ方の励みとなり、社会の人々との掛け橋に
なれたならば生活の手助けだけでなく、自立や社会参加といった人生そのものをサポートして
くれるのではないでしょうか。
それのみならず、平素、障害を持つ方への理解に乏しい、あるいは福祉にさほどの関心を
持たない方にも、障碍者福祉や地域福祉に少しでも理解や関心をもっていただく、この上なく
良い機会になると実感しています。
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