120
訓育編

126幼犬期のさまざまな問題(齧る事)
物をかじる
  
そしてこの時期の後半頃から、かじる事の問題が出て、そしてその次に跳び付く事で困り出すのが一般的です。
探究心が旺盛で遊び盛りの月齢の子犬にとって、また歯の生え変わりの時期の子犬にとって極自然、かつ当然の遊戯であっても、
人間社会に暮らす以上は、人間のルールに従って制約を受けることは止むを得ないのです。

家具などを齧る事については、以前にも述べたように何も教えない子犬のうちに自由を与えすぎるというのが最大の原因です。
本能習性が異なり人間が決めた事の善悪の区別など付くはずがない子犬に、自由・愛情・信頼といった美しい言葉の元に、
好き放題をさせる感覚こそどうかしているとも言えます。
本当に家族の一員として育てる方でしたら、無闇に犬を自由にしたりはしないのではと思うのですが。

そしてこの事に関していえば、家財が受ける損害については、飼い主だけの問題であり好きにお考え頂いて良いのですが、
時には電気のコードを齧ったり、座布団やソファーの中のスポンジを食べて犬に気の毒な事態をひきおこす事もあります。
木製のダンベル(元来は持来訓練用)を、犬の玩具として、歯の健康のためと称して売っている業者の感覚にも疑問を持ちますが、
疑いもせずに与えている方の多いことにも驚きます。
また、履かなくなったボロ靴下を与えている方も多いようです。
もちろん上手に教え込めば、可能ではありますが、ダンベルは齧って良くて、同じ材質のテーブルの脚は齧ってはいけないとか、
ボロ靴下は良くて、スリッパはいけないなどと、難しい判断を犬に要求しないで頂きたいと思います。
もちろんこの時期に固いものを噛らせることは、非常に大切ですので、それなりのものを与えてあげてください。

齧らせるものは、安全で健康に害のないことは当然として、噛んでいけない家庭内の品と同一素材でないこと、
経済的な理由からはもちの良いこと、そして、長く噛んでいても不潔にならないことなどで選びます。
それらの理由で、 本物の骨を特殊加工し大変固く乾燥した品やミルク味のナイロン製の骨を、私は使っています。




 前のページに戻る 教本TOPページへ   次のページに進む






いずみ愛犬訓練学校教本          copyright©1991 いずみ愛犬訓練学校 all rights reserved.