訓練編
脚側行進の教え方 |
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「アトエ」(飼い主と一緒に歩く事)の教え方 飼い主と一緒に歩く訓練を、訓練用語で「脚側行進」と言います。 命令用語は、「アトエ」「ツケ」「ヒ−ル」などです。 |
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気を付けて頂きたい事は、犬が人間に合わせて歩く事です。 ややもすると、犬に合わせて歩く人が非常に多いのです。 他の科目においてもそうなのですが、ここで特に大切なことは、犬と飼い主のコミュニケーションなのです。 まず、何のために引き紐を付けて散歩にいくのかを考えて見て下さい。 引き紐を付ける理由です。法律で決まっているからと答えた人は、おおむね正解です。 引き紐は、あくまでも、犬の嫌いな第三者に不安を与えないため、 それと、犬を万一の事故から守るために付けておくのです。 あなたが、恋人と手をつないで、街を歩く時の事を考えて見て下さい。 彼氏が、あるいは、彼女が逃げ出さないようにと、手をつないでいるのではないはずです。 犬だって家族の一員としてお飼いになっているなら同じ事です。 犬と飼い主を繋ぐものは、引き紐ではなくコミュニケーションであるべきなのです。 それなのに、ほとんどの方は、刑事が犯人を連行するときに使う手錠と同じ感覚で、 相手が逃げないために引き紐を使ってしばりつけているのです。 実際の使い方としては、むしろ小さなお子さんの手をひく時に近いかも知れません。 子供がまだ2~3歳の頃は、車道に飛び出したり、どこかへ行ってしまったりしないように、ギュッと握って歩きますが、次第に、親の言う事がきけるようになるにつれて、つないでいる手は、コミュニケーションの一つの型になっていきます。 それでも時として、例えば、玩具屋さんの前を通るときには、強く力をこめてその手を引かなければならない事もありましょう。だからといって、子供が幾つになっても、手をギューと握っていなければ街を歩けないなどという事は、通常ではまずないことです。 脚側行進の訓練を見て、もっと自由にさせてあげないと可哀想だという意見があります。 ところかまわず、排便排尿をする。方々の臭いを嗅いで回り、異物を食べる。 すれ違う見知らぬ人に鼻を寄せて行ったり、跳び付こうとしたり、吠えかかったりする。 そうした行為を容認する事が、自由の中味であるならば、あまりに次元が低いのではないでしょうか。 当然、自由の中には、飼い主と並んで歩くという選択肢も含まれて良い筈ですから、 犬が自ら、喜んで飼い主に併せて歩くように育ててあげれば良いのです。 それなのに、自分たちの意志でその犬を家族に迎え入れたにも拘わらず、犬との良い関係を築く努力もせずに育ててしまうから、家族で一緒に歩くと言う当り前に自然な行動が、可愛そうだと思わせる結果になるのです。 初めは、あまり誘惑のない閑散とした広場等で行なうのが好ましいでしょう。 最終的には、どの様な環境のもとであっても、犬が人間の歩調に合わせて、常に人間の左真横(犬の前足と人間の足が並ぶ)について歩く様にするのですが、初めからきちんとしたヒール・ポジション(人間の左真横)をとらせる必要はありません。 まず、犬を人間の左側を歩かせる事と、リードを必ず軽くたるませる習慣を身につける事から始めます。 簡単に申しましたが、この「リードをたるませる」と言う事が、大変に難しい事なのです。 これができれば、本質的には、この科目の完成と言っても良いでしょう。 引き紐は、カラーにショックを伝達するだけで良いのですが、ほとんどの方が、引き紐を張ったまま、 犬を引き寄せようとしてしまいます。グイッ−と引っ張るような感じになるのです。 この結果犬との力勝負となり、一層意固地な犬に作り上げてしまうのです。 犬には、足が付いているのですから、引きずらなくても、飼い主の元に来られるのです。 ガツッンというショックだけを与えて、犬に気が付かせさえすれば、あとは優しく呼んで、 上手に誘い込んであげれば良いのです。誘導の上手下手こそが、大切なポイントなのです。 教え始めの犬は当然の様に、人間の前後左右に歩き回り、紐の長さいっぱいに引き回し、また人間にじゃれついて来たり、手を噛りに来たりする事でしょう。 また犬によっては、地面の臭いばかりを嗅いで回ったり、歩くのを嫌がって座り込んだりもするでしょう。 こうした違いは、犬の性格や、犬と飼い主のコミュニケーションの度合いによって現れます。 当然の事ながらこうした違いを理解せずに、同じやり方で教えたのではなりません。 また、犬を叱る時にも同じ事がいえるのですが、ショックの与え方にしても、日頃室内で放し飼いにされていて 初めて首輪を付ける犬と、庭にいつも繋がれていて、日頃から鎖をひきちぎらんばかりに跳ね回っている犬とでは、同じ力を加えても犬の受け止め方は全く違うのです。 大きく四つのタイプに分けて考えていきましょう。 飼い主から離れて引っ張ろうとするタイプの犬には、まず行動の主導権を持つのは人間である事を教えます。 紐の末端をしっかり持って、犬が紐一杯に離れる寸前に、号令と共に犬の逆方向に一~二歩走ります。 そしてすぐに歩速を緩めて、犬が追いついたら十分に誉めてやる事を繰り返します。 その逆に飼い主にまとわりついて来るタイプにおいては、犬を無視して歩く事です。 紐は左手に、短めにたるませて持ち、犬がまとわりついて来たら即座に向きを変えて歩きます。 下手に叱ると、かえって犬は遊んでもらっていると思い逆効果です。 上手に歩けた時も撫でないで、落ち着いた口調で誉める程度にします。 飛びついて来る場合は、紐を下方向に強めに引いてショックを与えます。 もしどうしても直らなくて叩く時は、口吻の部分を飛びかかろうとする瞬間に叩きます。 次に、常に飼い主に遅れて、ついて来るタイプの犬に教える時には。とにかく誉めながら歩く事が要点です。 号令と共に左手で軽く紐のショックを伝え、体を大きく屈めて右手で犬を撫でながら努めて楽しそうに歩きます。 訓練の時間は短めにして、練習の後には必ず遊んであげてから終わりにします。 また、すぐに座り込んだり、後ずさりする犬もいます。 基本的に前のタイプの犬と同じですが、犬が歩かなくなった時に、犬に合わせて止まらない様に気をつけます。 歩かない原因が何かを怖がっている場合には、紐を短く持って犬を励ましながらこまめに紐を引いて歩きますし、 反抗して佇立する犬には紐の末端を持って、犬から紐一杯に離れる寸前に、号令と共に紐をひき駆け出します。 とにかく強引にでも犬を歩かせ、その後十分に誉める様にします。 |
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