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悪い犬なんていません、悪いのは飼い主です。
テレビの影響もあるのでしょうか、最近ではよく「ダメ犬」と言う言葉に対して、
「ダメ犬なんていません。いるのはダメ飼い主だけです。」などと言われているのを耳にします。
たしかに飼い主に問題がある場合も多いのですが、犬自身に問題がある場合も多くあります。
愛犬を擁護するあまりに本質から目を背けてしまっては、肝心な問題を解決できなくなります。
なぜ近年このようなことが多く言われるのかと言えば、動物行動心理学に基づくトレーニングが広まってきたことによります。
詳しくは に述べていますが、行動学は犬の行動を管理する上での半分を占める重要な原理です。
逆に言えば半分にすぎないということです。行動分析学では行動の原因を犬の内部に求めることはしませんので、
必然的に原因は外部環境すなわち飼い主の対応とされるのです。
つまり行動分析学が原因としているものは、行動を悪化させた原因であって行動の原因ではありません。
たしかに、犬がある行動を起こした際の飼主の対応が、その行動を強化させる原因になることは多くありますが、
それだからと言って問題行動の原因が、飼い主の責任であるとは言えないのです。
吠えのように若干であれば問題とならない行動であれば、悪化した原因を取り去って行動を減少させれば問題は解決されますが、飼い主への咬みつきといった問題行動においては、いかがなものかと思います。
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