220行動の選択
行動の選択


221行動を司るもの
行動を司るもの
  犬の行動は、先天的に持つ「本能・習性」と、後天的に得る「学習」とに支配されます。

「本能・習性」のうちで最も大切な事は、犬は社会性のある動物であり、群れをなす動物であるという事です。
管理化された人間社会における反動からか、縦型社会を嫌う方も多い様ですが、たとえ飼い主がどのように
考えようとも、犬は本能的に秩序ある集団をつくりあげます。
例えば、外敵にであったとき、群れを守るために「自分の判断で行動」しなければいけないのか、それとも、
「誰かの指示に従って行動」するべきなのか。またその場合「誰の指示に従うべき」なのかということすら
分からない集団では、かえって神経の休まる時がなくなってしまうのです。

犬を可愛がるつもりで人間と対等に扱う事は、犬にとってはストレスの原因にしかならないのみならず、
そうした扱いを受ける中で、犬が自分は飼い主よりも上であると理解してしまう事は、飼い主にとっても、
犬にとっても、大変に不幸な結末を招くことを知っておかなければいけません。
家庭に於いては、家族が一つの群れとなります。飼い主がリーダーであれば、特に問題は起きませんが、
飼い主が、常日頃、子分の様に振る舞っていると、(飼い主にしてみれば、単にかわいがっているつもりでも、
犬の要求に応じて、都度、それに対処してあげていれば、結果としては同じ事です。)犬がリーダーの役割を
担うようになり、自分の思い通りにならないとストレスを生じ、様々な問題を惹き起こすのです。
力で威圧することがリーダーではありません。行動の主導権を持つのがリーダーです。



 前のページに戻る  教本TOPページへ  次のページに進む