人が相手であれば、何もほめなくても、相手が喜んでするようになる方法もあります。 また、叱らなくても、相手がしなくなるようにする方法もあります。 一つは、自分の感情を相手に伝える方法です。褒める必要なんてありません、あなたが喜ぶだけでいいのです。 叱る必要なんてありません、あなたが嫌がったり、悲しんだりすればいいのです。
「ありがとう」という感謝の言葉。「嬉しい」と素直に喜ぶこと。
もう一つは承認欲求を充たすことです。わかりやすく人間での例で話をしましょう。 誰かが部屋の掃除をしてくれているときに、あなたが部屋に戻ってきました。 「おおっ、きれいになったなぁ。」「いつも君が掃除してくれていたのか。」 自分のことを見ていてくれている、わかってくれる、ということが喜びになります。 不安ながらにやっている人に、「ちゃんと出来ているじゃないか」という一声。 そして時には、励ましたり、慰めたりも必要でしょう。連日遅くまで居残って仕事をしている部下に、 「毎日遅くまで大変だな」「身体を壊すなよ」という、相手をいたわったり気遣ったりする一言。 そうした思いや言動が、相手にとっての喜びになります。
同様に、相手に対して感情をぶつけなくても、あなたが怒ったり、悲しんだり、困ったりする姿が、 相手に反省を促すこともあります。 「もういいから、帰ってくれないか」、「期待していたのに、とっても残念だよ」 「いまさら、もうどうにもならないから。」といった言葉も、叱責同様の効果を持つことがあります。
しかし、これらが有効なのは、あなたと相手との間にそれなりの関係がある場合に限られます。 その効果の有無と程度は、相手との関係性によって左右されます。
また別頁にて述べますが、これらの方法は、実は、犬においても有効なことがあります。
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