犬が好ましくない行動をとった時、その都度に叩いて止めさせなければならないようでは、 犬にとっても、嫌な事でしょうし、飼い主にしても、決して気持ち良いことではないはずです。 言葉というのは大変に便利なもので、何かをしながらでもかけられるし、離れている時であっても、 容易にタイミングをあわせて掛ける事ができるのです。 是非、言葉だけで、意思を伝えられるようにしたいものです。「ヨシ」と言われたら犬が喜ぶように、 「イケナイ」と言われたら犬がその行動を中止するように、しっかりと教えましょう。
そのように言葉だけでも言う事を聞くようにするためには、まず、普段から言葉を多く掛けてあげる事です。 といっても、お経や念仏の様に、ただ言い続けたのでは、犬の印象には残りません。
大切なのは、号令と賞または罰を与える間合いです。 号令の後、間が開きすぎては結びつけて理解できませんし、
号令の方が遅いようでは、 いつまでたっても手を下さなければ分からない犬になってしまいます。
よく見受けられる光景で、「イケナイ、イケナイ」と言いながら、犬に引きずられ続けている飼い主がいます。 この犬にすれば「イケナイ」というのは、飼い主を引きずって歩く際の「飼い主の声援」と理解しますから、 飼い主が「イケナイ」と叫ぶほど、なおさら張り切って歩くようになるのです。 つまりは、日常の生活において「させられない号令は掛けない」という事も大切です。 そうでないと、あなたの掛ける号令は、ただの掛け声にしかならないだけにとどまらず、
「あなたのいう事をきかなくても良い」という事を、犬に教え込むだけの結果になります。
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