人間は、交代・早い者勝ち・話し合い・ジャンケン・多数決・裁判・喧嘩・権力・対価など 様々な方法をとりますが、犬はどのような方法を取るのでしょうか。
集団生活を行なう動物において、草食動物は並列社会を、肉食動物は序列社会を作ることが一般的です。 それが、自然界における種の存続に有利で、理にかなっているからに他なりません。
上下関係と聞いただけで、無意味に拒絶反応を示す平等主義者もいるようですが、 運動能力・知力・危険察知・採食、あらゆる面で、集団内において能力に個体差がある限り、 平等な関係というのは非常に理不尽であると同時に、集団としての能力を失わせてしまうことになります。
動物の調教では、昔から使われる言葉に「飴と鞭」があります。 これらは動物の行動を促すためと、時に相手に対して力の誇示として使われます。 力の誇示と聞くと、多くの人は「鞭」の話だと思われることでしょう。しかし武力だけが力ではありません。 「飴」は報酬として行動を促すとともに、「人間が持つ、富の配給の権限」という力をみせつけているのです。
動物社会においては、力による支配が一般的ですが、人間社会ではさまざまな力による支配が行われています。 現代の人間社会においては、地位やお金といった力が、人や社会を支配しています。 他者を支配する「力」には、「知力」「財力」「権力」「武力」「信仰」などが挙げられます。
本気で「対等」「平等」を目指すのであれば、いずれの力においても、支配そのものがいけないことになります。 先進国と発展途上国の関係をみても、かつての武力による植民地化が、現代では経済による植民地化に変わって きていますが、これも搾取の構図という観点でみれば、その関係は本質的に変わっていないとも言えましょう。 |