280支配と関係
支配と関係

288現在では否定されたリーダー論
現在では否定されたリーダー論
「犬社会は階級性であり、犬は飼い主と権勢を争う」という、いわゆるドミナンス理論に関しては、
数年前に否定されています。しかしこれは、ボスの座争い=地位という物質的には存在しない概念を巡って、
犬同士が争うことが否定されたにすぎません。このアメリカ獣医行動学会の研究発表を、
犬と対等の関係を理想とする人権(犬権)派の一部の人は拡大解釈し、あたかもリーダーシップ論や、
主従関係を築くことが否定されたかのごとくに述べています。
ボス理論って何でしょうか。犬は階級社会(階層社会)を作るのでしょうか。
お父さんが1番で、2番目はポチ君。お母さんが3番目で、お兄ちゃんが4番目だなどと、家庭内における
「家族の順位付け」なるものが言われることがあります。 テレビなどでも、面白おかしく、そしてもっともらしく解説していましたが、犬は本当にこのような順位を認識するのでしょうか。

数年前に、定説とされていた 「犬における支配性理論」は認められないとする研究結果が発表されました。
支配性理論とは、わかりやすく言えば「ボスの座争い」のことですが、
犬は、「地位」という物理的には存在しないものを求めて争うのかどうかということです。

群れにおける順位という意識はないように思っていますが、上下という意識はどうでしょうか。
犬は相手に対して強弱という認識はあるでしょうが、弱者は必ずしも強者に対して従うわけではありません。
関わらない、避けるという選択肢もあるからです。
またそもそも家庭で飼われている犬たちが、飼い主の家族に、同族の群れという認識を持っているのかどうか、
とくに犬舎飼育の場合や、屋外飼育の場合には、群れ、あるいは仲間という意識をどの程度に持つのかさえも、
よくはわかりません。



αシンドローム(権勢症候群) 
階層社会 
支配行動
地位(見えない物)をめぐる攻撃の有無が焦点
結果として地位を確立するが、意識して行なうわけではない。
支配行為でないとすればマウンティングは何か
攻撃 他者への働きかけ行為 主に排除
防御 他者からの働きかけへの対応
犬が人間を支配しようとしているのだ、といった考えの否定
優位性とは関係性であって、気質・性格ではない
自立心 依存心



  前のページに戻る  教本TOPページへ  次のページに進む






いずみ愛犬訓練学校教本          copyright©1991 いずみ愛犬訓練学校 all rights reserved