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普段は飼い主の家庭で飼われている犬を、教材犬として学校に集めても、 生徒はトレーニングの授業の時にしかその犬と会わないのですから、信頼関係など結べるはずもありません。
そもそも、犬との信頼関係の築き方は、犬を飼って、共に暮らして世話をして、初めて学ぶことができるのです。
訓練士にしても、見習生として訓練所に住み込んで、朝から晩まで犬の世話をしながら、何年もかけてたくさんの経験を積んでこそ初めて、さまざまな犬と信頼関係を築くことができる技能を身につけることができるのです。 最初は、訓練所の犬を自分が飼い主となって世話をすることから始まり、その後に、お客様の預かり訓練の犬を 自分が一旦その犬の飼い主になったつもりで世話をしながら、それこそ犬に教わりながら学んでいきます。
こうして次第に技能を身に付ければ、一緒に生活をしなくても、普段の世話をしていなくても犬との信頼関係を 築くことも可能ですが、そのようなるのにも、初めはやはり、共に暮らし世話をしながらの必要があるのです。
このようにして「短期間で、あらゆる犬と、日常の世話をしなくても、信頼関係を結ぶ技能」を身に付けてこそ、
出張訓練といって、犬を預からずに、自分が通って犬に教え込むこともできるのです。
もちろん、会うたびに餌を与えて嫌なことをしなければ、犬からの信用を得ることはできるでしょう。 いっぱい遊んであげれば、仲良くもなれます。しかしそれは、遊び仲間になれるのに過ぎません。 そんなものは信頼関係ではありません。 |